@article{oai:aue.repo.nii.ac.jp:00001934, author = {山口, 匡}, journal = {愛知教育大学教育創造開発機構紀要}, month = {Mar}, note = {text, 本稿のテーマは、道徳教育における「自律(Autonomie,autonomy)」概念の位置づけを整理し、その問題性について考察することにある。小・中学校『学習指導要領』は、道徳教育の目標を「道徳性を養うこと」と定め、自律をそのための「内容項目」とするとともに、「他律から自律へ」という道徳性の段階的発達を想定している。他方、概念史的にみれば、自律概念の道徳的意味はカントに由来し、なおかつ、カントの道徳哲学と道徳教育論のあいだで重大な難問を惹き起こすものとして議論されてきた。カントにおいて道徳性(Moralität)とは行為の道徳的価値そのものであって、何らかの発達すべき能力を意味するものではない。それゆえ、自律についての理解も『学習指導要領』とカント倫理学とでは大きく異なることになる。当然カントも、道徳教育の必要性と特殊な困難を強く意識した。自律概念をめぐるテーマは、カント解釈上の問題にとどまらず、今日にいたる道徳教育の問題性を原理的に構成し続けているのである。そこで本稿は、道徳教育における自律の概念をめぐって議論されてきた問題を明確化し、整合的なカント解釈を目指した近年の研究動向の一端を分析する。その結果明らかになるのは、カント哲学の枠内における道徳的発達論の可能性とカント倫理学の「形式主義」がもつ道徳教育上の重要性である。}, pages = {71--78}, title = {道徳教育と自律の概念 ―カント道徳教育論の根本問題―}, volume = {3}, year = {2013} }